決算整理仕訳のポイント

決算を組むためには決算整理仕訳が必要です。

個人事業主でも法人でも期末に減価償却や棚卸や未払計上、前払計上などいろいろと確認しなければなりません。

今回は決算整理仕訳にはどういうものがあって、どういう仕訳をするのかを見ていきたいと思います。

目次

決算整理仕訳とは

決算整理仕訳の基本

決算整理仕訳とは、期末における貸借対照表や損益計算書を作成するために必要な仕訳のことをいいます。

これには、前払費用の調整、未払費用の計上、減価償却費の計上、売掛金計上、買掛金計上の対応などが含まれます。

会計では収益や費用は本来帰すべき会計期間に計上しなければならない

また、企業会計原則の中に収益費用対応の原則というものがあります。

これは同一の会計期間に対応する収益と費用を計上しなければならないというものです。

例えば、原価で外注費を計上している場合、決算整理仕訳で月末に外注費/買掛金という仕訳を立てたとします。その場合その外注費に対応する売上も売掛金/売上高も計上する必要があるのです。売上の認識が翌期になる場合は決算整理仕訳で外注費/買掛金は計上しません。

このように会計期間に発生した収益や費用を正しく処理するために決算整理仕訳は行われます。

決算整理仕訳の種類

決算整理仕訳には、以下のような種類があります。

  • 前払費用の仕訳:支払った費用が次期以降にも該当する場合の調整
  • 未払費用の仕訳:発生しているがまだ支払われていない費用の計上
  • 収益の実現:実際に商品やサービスが提供された時点での収益の計上
  • 費用の対応:発生基準に基づいた費用の計上
  • 減価償却の仕訳:固定資産の価値減少分の計上

決算期に計上すべき収益や費用の処理はすべて決算整理仕訳

実際の仕訳例とその解説

前払い家賃の仕訳

個人事業主が次の1年分の家賃として120万円を12月に前払いした場合、毎月の家賃は10万円になります。この場合、毎月の家賃は10万円です。決算整理仕訳は以下のようになります。

  • 仕訳内容:前払い家賃の月割り計上
  • 支払時の仕訳:地代家賃 1,200,000円/現預金 1,200,000円
  • 決算整理仕訳:前払費用 1,200,000円/地代家賃 1,200,000円
  • 解説:前払いした家賃を実際に使用する月ごとに費用として計上します。
    • 地代家賃100,000円/前払費用100,000円

未払い給与の仕訳

月末に未払いの給与が300,000円ある場合、その金額を未払い費用として計上します。この場合の決算整理仕訳は以下のようになります。

  • 仕訳内容:未払い給与の計上
  • 決算整理仕訳:給料手当 300,000円/未払費用 300,000円
  • 解説:実際に支払われる前に発生した給与を費用として計上します。
    • 未払費用 300,000円/現預金 300,000円  

減価償却の仕訳

事業で使用する機械を500万円で購入し、5年間の使用を見込んでいる場合、年間の減価償却費は100万円になります。この場合、年末の決算整理仕訳は以下のようになります。

  • 仕訳内容:減価償却費の計上
  • 決算整理仕訳:減価償却費 1,000,000円/減価償却累計額 1,000,000円
  • 解説:購入した機械の価値が年々減少するため、その減少分を費用として計上します。

決算整理仕訳のまとめ

決算整理仕訳は事業の財務状況を正確に理解し、適切な経営判断を下すための重要なステップです。この記事を参考に、決算整理仕訳がどういうものか、どういう処理が必要かを理解してもらえればと思います。

また税務調査でもこの決算整理仕訳の部分をみられることが多いので正しく処理しましょう。


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