個人事業主の開業・廃業届の書き方徹底解説

個人事業主になるには必ず提出しなければならないこの書類。提出期限もあったり、どこに記入したら良いか難しいのでしっかりと解説していきます。

この記事で分かること

✓開業時の記入箇所

✓提出期限

✓提出方法

目次

開業時の記入箇所

まずは開業時の場合をみていきましょう。記入する箇所しない箇所があるので一つひとつ確認します。

税務署用

この書類はこの納税地で所得税を納めていきますという宣言書のようなものになります。

会社員を経験された方は知っていると思いますが、今までお給料を貰う際に所得税や社会保険料などが天引きされた後の手取りを貰っていたと思います。所得税の徴収・納付は会社や雇い主が行ってくれていたのですが、個人事業主となるとその所得税の計算を自分自身で行わなければなりません。それを今後責任をもって行いますという意味合いをもった大切な書類となります。

●納税地
住所がある場合はその住所を記入し、住所地に○を。住所では無いが生活している所であればその居住地の住所を記入、居住地に○を。

●上記以外の居住地・事業所等
こちらは欄に記載があるように住所以外に住所地・事業所等がある場合は記載します。

※名前、生年月日、個人番号は説明不要なので省力します。

●職業
飲食店であれば○○の飲食業、雑貨などの店舗販売などであれば雑貨の小売業でOK。

●屋号※1
あなたの開業するお店の名前です。例えば牛丼チェーンの吉野屋で考えると、牛丼の飲食業が③職業にあたり、吉野屋がこの屋号に当たります。これが会社などの法人になると法人名となりますね。

●届出の区分
こちらは開業の方は開業に○をしましょう。

●所得の種類
持ち家の家賃収入が有る方は不動産所得に○を、山の伐採したり立ち木のまま譲渡した収入が有る方は山林所得※2に○を、個人事業(農業)での収入が有る方は事業(農業)所得に○をしましょう。

●開業・廃業等日
開業した日付けを記入しましょう。

●開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
開業の方は青色申告承認申請書を提出することをおすすめします。有に○をしましょう。消費税に関するとある部分は無に○をしましょう。

●事業の概要
事業内容をできる限り詳細に記入しましょう。北欧の雑貨を集めた小売店、海鮮居酒屋、接骨院、美容院など書ける範囲で問題ありません。

●給与等の支払いの状況
専従者がいる場合はその人数、給与の決め方(例えば月給など)税額の有無(所得税が発生するかどうか)を記入しましょう。使用人は従業員のことです。先ほどと同じように記入しましょう。

●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
原則は従業員や専従者に支払う給料から天引きした所得税を毎月納付する必要があるのですが、それを年に2回にできるという制度を適用する書類を提出するかどうかの欄です。毎月納付は手間がかかるので有に○をしましょう。一点この制度が適用できる事業所は給与の支給人数が常時10人未満(アルバイト・パート含め)の場合に限ります。

●左上の_____税務署長欄
これはそれぞれの納税地が管轄する税務署があるので、自らで記入する欄です。 税務署の所在地などを知りたい方|国税庁 (nta.go.jp)こちらから住所検索すると管轄の税務署が分かります。提出日も忘れずに記入しましょう。

これで開業時の記入箇所は以上になります。

参考

※1・・・屋号は開業時には必須では無いので決めかねている場合は無しでも構いません。しかし事業の大切な名前なので開業時に決まっていることがベストになります。

※2・・・山林所得

山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に譲渡した場合は、山林所得ではなく事業所得雑所得になります。また、山林を土地付で譲渡する場合の土地の部分は、譲渡所得になります。

国税著HP No.1480山林所得


都道府県税事務所用

この書類はこの納税地で個人事業税を納めていきますという宣言書のようなものになります。

この書類は先ほどの書類の県・市向けの書類になります。会社員の場合の所得税というような意味合いとは違い、個人事業主には国に納める所得税と都道府県に納める個人事業税という税金を納めなければなりません。そのためにこの書類も提出は必須になります。今回は愛知県を例に書類の記入箇所を解説します。

●開業(廃業) 事務所等設置(移転・廃止)報告書
開業に○をしましょう。

●納税義務者 住所
税務署用の個人事業の開業届出書の納税地住所を記入しましょう。

●下記のとおりの部分
開業に○をしましょう。

●事務所または事業所 所在地 名称 業種
所在地は納税地と同じ。名称は屋号です。業種は小売業、飲食業などです。

●営業許可年月日
取得した営業許可証の日付を記入しましょう。

●開業・廃業事務所等設置移転・廃止年月日
開業に○をし、日付を記入しましょう。

●愛知県   県税事務所 殿
住所によって管轄する県税事務所があるので、県税事務所一覧 – 愛知県 (pref.aichi.jp)こちらで検索可能です。日付も忘れずに記入しましょう。

これで開業時の記入箇所は以上になります。

提出期限

次に税務署・都道府県税事務所にはどのタイミングで提出したら良いのかを説明していきます。

税務署・都道府県税事務所

個人事業の開業届出書、開業報告書の提出期限は一ヶ月以内です。事業開始の事実があった日から一ヶ月以内になります。事業が始まってからは銀行口座の新設など色々と行うことがあるので、事業開始日と同時に提出したいですね。

提出方法

最後に届出書の提出方法の説明になります。

税務署・都道府県税事務所

提出方法は主に3つあります。

・窓口で直接             ・郵送            ・ネット(e-Tax eLTAX)

窓口で直接は手っ取り早いと思われますが、色々と面倒な点もあります。それは本人確認書類マイナンバーが分かるものの提示を求められる点です。さらに開業届に修正点がある場合は印鑑シャチハタはNG)も必要になってきます。その上税務署と管轄の都道府県税事務所に行く必要があるので、時間もかかってしまいます。

郵送の場合、管轄の税務署と都道府県税事務所に開業届その控え返信用封筒を同封し郵送しましょう。控えと返信用封筒を準備しないと手元に開業した証拠が無くなり個人事業用の銀行口座が開設できず非常に困ってしまいます。

ネットの場合は、税務署用の送信にe-Taxを都道府県税事務所用の送信にeLTAXを利用します。これらは税務署・都道府県税事務所が準備した電子申告用ソフトで、色々と面倒な作業をしないといけません。

個人的には郵送が一番楽かなと感じました。


まとめ

開業届の意味から記入箇所、提出期限や提出方法までしっかりと説明してきました。事業開始と同時に開業届を提出することでこれから個人事業主として活躍していく皆さんが円滑なスタートが切れると思います。1つ1つ確実に手続きを行っていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次